私は曲を作る際、先に大まかにオケを作ってからメロディを載せていくのですが、この曲の冒頭のオケにしっくりくるメロディが何日も思い浮かばず、色々試行錯誤するなかでふと思い付いて民謡を合わせてみたのがきっかけで最終的にこのような曲に仕上がりました。楽器の音を足してどんどん和風な雰囲気を出していくのが楽しかったです。
そんなずいずいずっころばしが全体を支配するお茶壷おばけですが、自分ではサビがとても気に入っています。その頃ハマりにハマって聴き倒していたsogummとOHHYUKのyayou hoiの影響をもろに受けています。どうも私はこのような深い底からグワーッと沸きあがってきたものがキラキラと広がったと思ったらまた深く沈んでまた沸きあがって、、みたいな押し寄せては引く圧みたいなのがすごく好きらしいということに気付きました。
このサビ部分はリズムにもこだわりがあって、急に3拍子になったような、テンポも変わったような不思議な感じがすると思うのですが、テンポは曲全体を通してbpm90、拍子はサビに入るきっかけとなるヴァイオリンのアウフタクトのみ2/4にして仕切るように流れを変え、あとは全て4/4で作っています。グワーッと沸きあがる音符が32分の細かい三連になっていたりパーカッションが三連と16分の混ざったリズムを規則的に繰り返していて、その上に載っているヴァイオリンのメロディには所々2拍3連を絡めてのびのび引き伸ばすように弾いていることにより、このようななんともいえないリズム感が生まれたように思います。感覚的に色々重ねていたら偶然できた楽しいリズム感です。メトロノームをかけながら聴くとまた違った聴こえ方がして面白いです。
その後、サビを抜けた所からのずいずいずっころばしの断片が少しボロボロした音でかくれんぼのように左右から聴こえてくる部分も面白くできたと思うので、是非イヤホンで断片の追いかけっこをしてみてください。最後は右から左に流れてきます。
また、ヴァイオリン頑張り隊の方やクラシック好きの方は気付いたかな?と思いますが、ヴァイオリンのメロディの中にドヴォルザークのヴァイオリン協奏曲とフランクのヴァイオリンソナタに出てくるメロディが一瞬ずつかくれんぼしています。長年クラシック漬けの生活を送ってきたからかメロディを考えていてもクラシックの曲が勝手に頭に浮かんできてしまいますが、クラシックの曲は本当に美しい曲が多いのでこれについてはよかったかなと思っています。
この後にも何曲か曲を作っていますが、私は自分で作った曲がまだあまり好きになれずにいます。でもこの曲だけは何故か少し好きと言える感じがあります。いつか自分の作った曲が好きと自信満々に言えるように、これからも楽しく曲を作っていきたいと思います。
「お茶壷おばけ」の動画計画メモ