この曲を作った頃は暗い気分になりがちで、それが曲調にも表れています。
曲作りもなかなか思うように進まず、ゴールが見えなくて不安でいっぱいになりながらの制作で、完成までにいつもの倍以上時間がかかってしまいました。いいと思えるフレーズが思い浮かばず、つまらない変なフレーズばかりが繰り返し頭をぐるぐるして本当に困りました。何時間もかけてどうにか絞り出したフレーズも翌日になって聴いてみたらとんでもなくおかしなフレーズで、またやり直し、、という日々が続きました。私の場合自然にぽんと頭に浮かんできたフレーズは良いもののことが多いのですが、色々考えながら捻り出したフレーズというのは「捻り出した感」満載の難解なフレーズのことがほとんどです。それがわかっていてもこの時は自然に浮かんでくる瞬間が一向に訪れないので無理矢理にでも捻り出すしかなく、捻り出した中で使えると判断したものを繋ぎ繋ぎどうにか完成させました。
ただ、私は自分で曲を作り始めた当初から聴いた人が前向きな気持ちになれるような曲を書いて演奏したいという思いがあり、この曲も暗い曲調ですがしょんぼりする感じではなく重荷を抱えながらも頑張って進んでいこうとしているところを表したつもりです。どこかを目指してもがき苦しんでいるような感じですね、、聴く人によってはもがき苦しむのは前向きな気持ちになれないかもと今になって不安になってきましたが、苦しい時に聴いたら一緒に苦しみに寄り添ってくれる曲になるかもと前向きに考えることにします。何か頑張っている時期などに聴くといいのかもしれません、うん、たぶん。どうかな。。。。
最後に、参考にした曲をわかって聴いていただくとまた面白いかなと思ったり、個人的な原曲リスペクトの意味と単純に好きな曲について語るのが楽しいという自己中な理由で、今回も前の2曲と同様に書いておこうと思います。
Adoさんの過学習があまりにも好きで鼻歌で歌い過ぎていたのでサビのリズム感が完全に頭に染みついてしまい、煙霧全体がこのリズムに支配されています。。無意識に思い付くメロディが全てこのリズムになってしまっており、人に指摘されるまで気付きませんでした(重症)。また、過学習をきっかけに伊根さんの楽曲にハマり、中間の落ちる部分はイデアルからヒントを得ています。あとは、青栗鼠さんのエフェメラリズムや雄之助さんのPathosからも着想を得ました。また、特殊な雰囲気を放っている箇所がありますがその部分は、数年前に轟音ヴァイオリンバンドをやっていたことをふと思い出してヴァイオリンの音を思い切り歪ませて響きを作りました。轟音とは違った感じになりましたが、独特に濁った響きを作り出すことができて自分ではなかなか気に入っています。また、そこのドンドンしたリズムはなきそさんのド屑を聴いていて思い付いたものです。EDMではよくあるリズムですが改めて聴くとやっぱりいいなと思い、取り入れました。ド屑も本当に中毒性がものすごくてこの頃無限脳内リピートしていました。
こうして見てみると、この曲にはボカロPさんの曲の影響が沢山見られます。ボカロ曲は大好きで普段からよく聴いていますが、この時期たしかボカコレがあったりしていつも以上に沢山聴いていたように思います。ボカロは最高。
「煙霧」の動画計画メモ