レッスンを受ける必要性
ヴァイオリンを弾いたほとんどの方が、まず「正しいフォームで綺麗な音を出すのがとにかくムズイ・・・」という壁にぶち当たるくらいヴァイオリンは演奏フォームがとても難しい楽器です。
最近はYouTubeなどでわかりやすいヴァイオリンレッスンの動画も沢山見られるようになってきましたが、正直動画だけを参考に自力で頑張るのは厳しいものがあります。余計な力が入ってしまっていたり手の位置がおかしいことに気付いていなかったりと、一見小さなことのように思えてそれが定着すると直すのが非常に厄介な癖が付いてしまうこともよくあります。それでもよっぽど形が崩れていなければ簡単な曲は練習すればそれなりに弾くことができますが、やはり無理をしているので次第に技術的な部分で問題が多々発生してきます。そのため、遠回りしないために始めたての時だけでも是非対面でレッスンを受けて綺麗なフォームを身に着けていただくことをお勧めします。
ある程度フォームが完成している方に関しては、レッスンを通して ①練習していて困っている点を解決する ②新たに高度な技術を学ぶ ③客観的な視点から指摘を受けて更に演奏の魅力を磨く ことができると考えます。①と②に関しては、それこそ動画等で解決できることが多くあり、色々な情報を得て試行錯誤することで成長に繋がるという良さもあると思います。ただ、誤った情報やその方の体格等に合わない情報を参考にしてしまってどこかにガタがきた状態になっていたり、そもそも解決するための着眼点を誤っており、なかなか解決に至ることができない場合も少なくありません。そういった意味で、その方の状態をその場で分析したうえで的確な指摘やその方に合った練習のやり方、コツ等をお伝えできるところにレッスンの良さがあると私は考えています。
レッスンと上達
レッスンを受けていたら上手になると思われることがありますが、練習を全くせずにレッスンを受けているだけでは上達にかなり時間がかかります。器用だったり頭が良かったりして、練習しなくても案外滑り出しがさらっといく場合もありますが、それでもつまづく時がきます。
早く上達したい方には、ほんの数分だけでも日常的に楽器を弾いたり、まとまった時間のとれる日にだけでも楽器を弾くようにすることをお勧めします。もしそれが環境や時間等の問題でできない場合は、頭の中でなるべく正確にヴァイオリンを弾くイメージをしたりレッスン後に復習する時間をとるだけでもかなり違ってきますので、できそうなところから是非やってみてください。
ただ、ヴァイオリンを弾くのはレッスンの時だけにして、楽しみながらゆるゆるやりたいというのも一つの習い事の楽しみ方だと思います。その場合は、勿論こちらもレッスンの時間だけでなるべく上達を実感していただけるように努めますが、ゆるゆるペースでの上達となることを念頭に置いてレッスンをお楽しみください。
レッスンにかける想い
自分は厳しいレッスンを修行のように受けてきましたが、私自身は全ての方にそのようなレッスンをしたいとは思っておりません。ヴァイオリンを弾くことを通して音楽を楽しんでいただいたり、夢や目標などを見つけてそれを叶えていただきたく、私はそのサポートがしたいと考えています。
お客様の演奏を聴いて私が思ったことを一つ一つ指摘させていただくこともできますが、それはお客様からしたら必要のないことの場合もあります。極端な例を挙げると、私が言ったことのせいでそれまで楽しく弾かれていたのに弾くのが苦痛になり心が折れてしまわれるかもしれません。そのようなことが起こらないよう、お客様の考えをできる限り汲み取り、(お子様に関しては注意深く観察し、)私なりに最適と考えるアドバイスをさせていただきます。できる限りお一人お一人の演奏の良さを生かし引き出せるようなレッスンができるよう、常々意識しております。
実は私自身も大人になってから習い事を始め、ヴァイオリンを習い始める大人の方の感覚や気持ちが以前より考えられるようになった気がします。私もまだまだ教えることに関して経験が深くはありませんし、至らぬ点も多々ございます。お一人お一人のお客様を大切に、私もお客様から沢山学ばせていただきながらより良いレッスンができるように成長していきたいと思っております。